○白石町議会基本条例
平成23年9月26日
条例第17号
目次
前文
第1章 目的(第1条)
第2章 議会、議員及び議長の活動原則(第2条―第4条)
第3章 町民と議会の関係(第5条―第7条)
第4章 議会と町長等の関係(第8条―第11条)
第5章 自由討議の保障(第12条)
第6章 議会改革の推進(第13条)
第7章 議会、議会事務局等の体制整備(第14条―第18条)
第8章 議員の身分、待遇及び政治倫理(第19条―第21条)
第9章 最高規範性及び見直し手続(第22条―第24条)
附則
地方分権改革により、地方公共団体の自己決定と責任の範囲が一層拡大する中、二元代表制の一翼を担う議事機関としての議会は、政策立案、行政の監視、そして情報公開で分かりやすい議会をつくるなど、責任ある議会活動が求められている。
平成17年1月1日に白石町の町制が施行されたが、合併後も少子高齢化、安全安心の確保、地域産業の振興など課題が山積している。行政にかかわる者として、これらの課題に取り組み、自立したまちづくりを進める責任は、今後ますます重くなっていく。
このため白石町議会は、町民との協調の下、町民を代表する機関の一つとして自らの創意と工夫により政策立案及び政策提言を行うとともに、積極的に議会改革に取り組み、町長との緊張関係を保持しながら、真の地方自治の実現を目指すことを決意する。
よって、ここに議会が果たすべき役割と責務の重さを深く自覚し、町民の負託に全力でこたえていくことを誓い、この条例を制定する。
第1章 目的
(目的)
第1条 この条例は、議会及び議員の基本事項を定め、議会及び議員活動の活性化と充実を図り、また町民への情報公開と町民参加を推進し、地方自治の本旨に基づく町民の負託に的確にこたえ、もって人と大地がうるおい輝く豊穣のまちづくりの実現と公正で民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。
第2章 議会、議員及び議長の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動を行わなければならない。
(1) 公正性及び透明性を確保し、町民に開かれた議会を目指すこと。
(2) 町民の多様な意見を的確に把握し、政策立案、政策提言等の強化により、町政に反映させるための運営に努めること。
(3) 町の施策に対する意思決定を行う議決機関として、町政運営状況の監視及び評価を行うとともに、適切な判断と責任ある活動を行うこと。
(4) 議会運営は、町民傍聴の意欲が高まるよう、分かりやすい言葉を用いた説明及び広報に努め、傍聴者の求めに応じて議案の審議に用いる資料等を提供するなど努めること。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを認識し、議員間の自由な討論を重んじること。
(2) 町政の課題全般について町民の意見を的確に把握するとともに、自己の資質を高めるための研さんによって、町民の代表としてふさわしい活動を行うこと。
(3) 議会の構成員として、一部団体及び地域の個別的な事案の解決だけでなく、町民全体の福祉の向上を目指して活動すること。
(議長の活動原則)
第4条 議長は、議会を代表して中立公正な職務遂行に努め、民主的な議会運営を行わなければならない。
第3章 町民と議会の関係
(町民との関係の基本原則)
第5条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」と総称する。)を原則として公開するものとする。
3 議会は、委員会の運営に当たり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。
4 議会は、議会及び議員の政策形成能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るために、議員の全部又は一部と町民等との意見交換の場を設けることができる。
(議員情報の提供)
第6条 議会は、重要な議案に対する各議員の態度を議会広報で公表する等、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めるものとする。
(議会の報告及び説明)
第7条 議会は、議会報告を必要に応じ行うものとする。
2 議会は、町民の要望に応じ議会に関する説明のため議員を派遣できるものとする。
第4章 議会と町長等の関係
(議会と町長等の関係)
第8条 議会審議における議員と町長等執行機関及びその職員(以下「町長等」という。)との関係は、次に掲げるところにより、緊張関係の保持に努めなければならない。
(1) 本会議における一般質問においては、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる。
(2) 議長から本会議及び委員会への出席を要請された町長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問に対して反問することができる。
(3) 議員は、会期中又は閉会中にかかわらず、議長を経由して町長等に対し文書質問を行うことができる。この場合において、町長等に文書により回答を求めるものとする。
(町長等による政策等の形成過程の説明)
第9条 議会は、町長等が提案する計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)について、政策等の水準を高めるため、町長等に対して、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。
(1) 必要とする背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 総合計画における根拠又は位置付け
(4) 関係する法令及び条例等
(5) 財源措置
(6) 将来負担すべき経費
2 議会は、前項の政策等を審議するに当たっては、当該政策等の立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。
(予算及び決算における政策説明)
第10条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の説明及び資料を町長等に求めるものとする。
(町政に係る重要な計画の議決等)
第11条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定に基づく議会の議決事件は、本町における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想及びこれに基づく基本計画の策定、変更等とする。
2 議会は、町長等が各行政分野における基本的な計画の策定、変更等をするために計画の概要を公表し、広く町民等から意見等を募集するときは、あらかじめ、町長等に当該計画の策定、変更等を行う理由及び概要の説明を求めるものとする。
第5章 自由討議の保障
(議員間の討議による合意形成)
第12条 議会は、言論の府であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議を中心に運営されなければならない。
第6章 議会改革の推進
(議会改革の推進)
第13条 議会は、議会改革に継続的に取り組むため、特別委員会を設置することができる。
2 議会は、議会の在り方について調査研究等を行うため、他の自治体の議会との交流及び連携を推進するものとする。
第7章 議会、議会事務局等の体制整備
(委員会の適切な運営)
第14条 議会は、社会、経済情勢等により新たに生ずる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、委員会の適切な運営に努める。
(議会図書室の充実)
第15条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実に努めるものとする。
(議会事務局の体制整備)
第16条 議会は、議会及び議員の政策の形成及び立案機能の支援体制を強化するため、議会事務局の調査及び法制機能の充実を図るものとする。
(議会による研修の充実強化)
第17条 議会は、政策提言及び政策立案能力の向上を図るため議会研修を実施する。
2 議会は、研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、町民等との研修会を開催することができる。
(議会広報の充実)
第18条 議会は、議会独自の視点から、多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会及び町政に関心を持つよう情報の広報に努めるものとする。
第8章 議員の身分、待遇及び政治倫理
(議員定数)
第19条 議員定数を改正するに当たっては、行財政改革の視点及び他自治体との比較だけではなく、町政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮し決定するものとする。
2 議員定数の条例改正案は、町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、議員定数の基準等の明確な改正理由を付して、委員会又は議員から提出するものとする。
(議員報酬)
第20条 議員報酬を改正するに当たっては、行財政改革の視点及び他自治体との比較だけではなく、町政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮し決定するものとする。
2 議員報酬の条例改正案は、町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、議員報酬の基準等の明確な改正理由を付して、委員会又は議員から提出するものとする。
(議員の政治倫理)
第21条 議員は、町民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。
第9章 最高規範性及び見直し手続
2 議会は、議会に関する日本国憲法、法律及び他の法令等の条項を解釈し、運用する場合においても、この条例に照らして判断しなければならない。
(議会及び議員の責務)
第23条 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、もって町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。
(見直し手続)
第24条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを定期的に検証するものとする。
2 議会は、この条例の施行後、常に町民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとする。
附則
この条例は、平成23年12月1日から施行する。